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2007.08.13 Monday
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出張の最終日に。
ヌレエフ版。細かいパの連続で目まぐるしく、ありえないようなところにカトル、シス、ロワイヤル、ブリゼ、バッチュ、バッチュとパタパタパタパタ足が忙しく、はい4分の3回って第3アラベスク、と「理解」させられる感じだ。あとどうしてもヌレエフの振付って「体操」とか「創作ダンス」に見えてしまう瞬間がある。そこを推し進めると松山バレエ団になるのだと思っているのだが。指揮者も熱い(というか「暑い」)感じで見ていて面白かったが、随分ゆっくり演奏するのね。ヌレエフ版だとそうならざるを得ないのかもしれないが、もうちょっとスピード感が欲しい場面もあった。ミラノ・スカラ座バレエ団自体にはあまり期待していなかったが、ヌレエフ版の難しい振りをよくこなしていたかな。さすがイタリアンと思わせたのは圧倒的に1幕で、街の喧噪の表現(演技ってことなのだが)では大いに盛り上げてくれた。夢の場のクラシックとなるとドスンドスン重たかったが、たまにこういう健康的なダンサー達を見るとほっとするのも事実。
そんなことより、タマラ・ロホが素晴らしかった。グラン・パ・ド・ドゥでのアチチュードの長いバランスは、「回転の人」というイメージだっただけに意外性もあって驚かされたし、32回転(シングルx2、トリプルで最後まで)も滑らかでキレが良く満足。1幕から3幕まで「おおっ」と思わせる場面が何度もあった。カレーニョも世界バレエフェスで見ているともう年かなと思うのだが、本拠地であるはずのABTで見たときよりもなんだかずっと良かったな。このふたりの組み合わせがいいのか、ミラノとの相性がいいのか、難しいヌレエフ版に挑戦することで全体のモチベーションが向上しているのか、なんだかよく分からないけど。
ドン・キホーテの鎧がガチャガチャうるさく、「オズの魔法使い」のブリキマンみたいだった。ガマーシュが常にパラソルを持っているのも《リーズ》のバカ男を連想させた。衣裳は街の女たちとかキトリの友人などの段になったスカートが、動きに合わせてひるがえるととてもきれいだった。カッティングが良いのかな。布地?あと扇子とか、ドタバタの場面で投げている魚とか、小物関係が充実していたかも。街にさりげなく修道士ぽいのがいたり、通り一遍のバレエの《ドンキ》と違った味付けも楽しめた。ドン・キホーテの乗っていた馬はちょっとね……判断しかねるけど。
カウンタが30万を超えました。いつもありがとうございます。
NHK「プロフェッショナル」の吉田都さん出演、ローザンヌ2007の放映とバレエ番組が続きましたね。吉田都さんが「デンタルフロスでトウシューズのリボンを付ける」というのが意外でした。ローザンヌは去年に比べると面白かったです。河野舞衣さんの「グラン・パ・クラシック」は巻き戻して3回見てしまった。
今後とも当サイトをよろしくお願いいたします。
「もし明日地球が滅びるとしたら何をしたいか」と聞かれたら(聞かれたことはないが)、東バの《ドンキ》を見たい、と答えようと思っていた。初演の印象は強烈で、再演も毎回楽しみだった。世界バレエフェスでステパネンコとウヴァーロフをゲストに迎えての上演は最高に盛り上がったし、ガラ後のパロディで男性ダンサー総出演のキューピッドの舞も忘れられない。ダンサーの退団・移籍で再演の度にちょっとずつキャストが変わっていく中で、少しずつ新鮮味と期待と感動が薄れてきたところに、待ってましたという感じの小出領子のキトリデビューではある。
オーロラの時は終わる前から泣きそうだったのを思い出すが、今回は堂々たるプリマぶり。完璧でしたね。欲を言えば、もうちょっと個性が欲しい。何をどう表現したいのかは非常に分かりやすかったが、時々埋もれそうだった。東バの《ドンキ》は見所満載で、最後のグラン・パ・ド・ドゥ前にお腹いっぱいなのだが、バジルがヴァリエーションでへたってしまったのは、今回は小出領子のサポートに徹したせいか。とは言え、片手リフトはどれも高々と挙げてポーズも美しく、このペアならではの見所だった。
西村真由美はドリアードの女王(前回?)よりは、キトリの友人が似合っている。メルセデスを狙ってもいいかも。長谷川智佳子はヴァリエーションでのジュテが美しくなかった。荒井祐子・市来今日子ペアに比べると軽やかさ、リズム感が足りなかったなあ。バジル交えて3人で踊るところなんか全然揃ってないもん。思うに、荒井祐子が抜けてから音楽的「勘」の鋭いダンサーがいないのでは。集団の中で引っ張る人間がひとりいると結構違うものだ。
メルセデス、とりあえずそつなく、という感じ。遠藤千春って巧かったんだなあ、華があったなあとつくづく惜しい気持ちに。久しぶりの木村エスパーダが良かった。進化していた。進化する中年。エスパーダとメルセデスのカップルがちょっと課長とOLの不倫カップルみたいだったが。
井脇さんのジプシーがまた見られて満足。
秘かに今回の目玉だった高橋竜太の新サンチョ。この手があったか、というキャスティング。今まではなかった小芝居がちょこちょこあり、私の周りはクスクス笑いが結構聞かれた。広場でのトランポリンでもしかして空中1回転なんてあるかも、と無謀な期待をしてしまったが、さすがにそこまでは。かなり高く放り上げられてはいた。伴内も2回目以降が良かったので、次に大きく期待しておく。